仮想通貨の利益は「雑所得」扱いとなる

仮想通貨で得た利益は、税務上は「雑所得」という扱いになります。

雑所得にかかる税金は主に所得税と市民税ですが、大きな利益を出したときに問題となるのが所得税です。

仮想通貨の利益にかかる所得税の税負担は非常に大きい

市民税の税率は一律で10%です。利益が大きいと10%でもかなりの負担となりますが、所得税よりはまだマシです。

所得税は累進課税と言って、課税所得が大きければ大きいほど税率が大きくなります。

課税所得が195万円以下の場合は税率は5%で済みますが、4000万円を超えると45%という非常に高い税率となります。

市民税の10%も加えると、税金の負担は課税所得の55%。

4000万円の課税所得なら、2200万円を税金として支払い、1800万円だけが手元に残ることになります。

せっかく大きな利益を出しても手元に残るのは半分以下。これではいくらなんでもやるせないですよね。

雑所得は雑所得の間でしか損益通算できない

現在の仮想通貨に関する税制の最大の問題点は、仮想通貨で得た利益が雑所得とされるため、雑所得の間でしか損益通算できないことです。

例えば、個人事業主であれば事業所得や、不動産所有者であれば不動産所得などの所得があります。

これが株の投資であれば、大きな損失を出してしまった場合には、事業所得や不動産所得と損益を通算することができます。

例えば、株で50万円の損失を出してしまい、事業所得で400万円の利益がある場合は、差し引いた350万円が利益となります。

ところが、仮想通貨の場合はこうはいきません。

仮想通貨の投資で50万円の損失を出してしまい、事業所得で400万円の利益がある場合は、損益通算できないため、400万円がそのまま利益となって課税されます。

仮想通貨の取引で出した50万円の損失は、文字通りそのまま損失となってしまうのです。

なお、この話は雑所得以外の所得との間の話です。

雑所得の間であればもちろん損益通算することはできます。

代表的なのは、さまざまな仮想通貨の取引を行っている場合。

例えば、仮想通貨Aで50万円の利益を出していても、仮想通貨Bで60万円の損失を出した場合は、差し引き-10万円となり、利益はなかったことになります。

異なる仮想通貨の取引で損益通算できるのは、仮想通貨の取引で得た利益がすべて雑所得となるためです。

もちろん、仮想通貨の取引で得た利益以外であっても、雑所得と見なされる所得であれば損益通算できます。

仮想通貨の取引などで発生した損失は翌年以降に繰り越せない

仮想通貨では雑所得以外の所得とは損益通算できません。これは、損失を出してしまったときにはちょっと苦しい仕組みです。

さらに仮想通貨の取引が税制上不利なのは、損失を翌年以降に繰り越せないことです。

株などの取引では、大きな損失を出してしまった場合は他の所得と損益通算できます。このとき、損益通算を行ってもまだ損失が残る場合は、向こう3年間に渡って損失を繰り越すことができます。

例えば、株の取引の損失によって最終的に50万円の赤字になってしまったとしましょう。翌年の最終的な利益が500万円なら、この50万円を損失として差し引くことができます。

一方、仮想通貨の場合は、どれほど大きな損失が出たとしても、その損失を翌年に繰り越すことはできません。

つまり、仮想通貨の取引では損失は本当に損失にしかならず、損してしまうだけです。

仮想通貨の取引などで得た利益にかかる税金についてまとめます。

・仮想通貨の取引などで得た利益にかかる税金は主に所得税と市民税
・所得税は累進課税のため、課税所得が大きくなるほど税金も増える。
 最低5%、最大45%。市民税の税率は一律10%。
・仮想通貨で得た利益は雑所得となる。そのため、他の所得との損益通算はできない(雑所得の間での損益通算は可能)
・仮想通貨の取引などで発生した損失を翌年以降に持ち越すことはできない

結論から言えば、仮想通貨で大きな利益を得た場合には、累進課税の所得税によって非常に大きな税金が課せられます。

一方、損失を出したとしても、他の所得との損益通算や、翌年以降への損失の繰り越しは認められていません。

現状では仮想通貨投資に関する税金の仕組みは、優遇措置のある株式投資などと比べて非常に不利なものとなっています。

仮想通貨投資で税金が大きな負担となる最悪のパターン

仮想通貨投資で税金が非常に大きな負担となってしまう最悪のパターンがあります。

それは、大きな利益を確定した翌年の1月から3月の間に大きな損失を出してしまうこと。

個人の場合、毎年2月15日から3月15日に確定申告を行いますが、所得税の支払いは3月の確定申告の締め切りの時期に重なります。

個人の得た利益は、毎年1月1日から12月31日の期間で計算します。

つまり、前年度に大きな利益が確定していた状態で、翌年の確定申告時期までに大きな損失を出してしまうと、手元に残った資金よりも支払う税金の方が多いという事態にもなり得るのです。

例えば、前年12月に4000万円の利益を確定していたとしましょう。しかし、翌年の2月に購入していた仮想通貨の価値が半分になってしまい、手元の資金が2000万円まで下がってしまったとします。

4000万円の利益にたいして発生する税金の税率は単純計算で所得税45%+市民税10%の55%。4000万円なら、2200万円の税金です。

手元に残っている資金が2000万円なら、税金の支払いの方が多いですね。

もちろん、大きな損失が出たのが前年12月31日までなら、前年の利益計算に含まれるので問題ありません。

問題となるのは、前年に大きな利益を確定した後、翌年の所得税支払い時期までに大きな損失を出してしまうことです。

場合によっては税金が支払えないなんてことにもなりかねませんので、大きな利益を出した後は、税金分は現金に戻してしっかりと確保しておきましょう。

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