仮想通貨取引は利益が大きいときは法人の方がお得?

個人で仮想通貨を売買したときなどの利益にかかる税金は、主に累進課税の所得税なので利益が大きければ大きいほど負担が増えます。

一方、仮想通貨の取引は株式の取引のように他の所得と損益通算したり(雑所得の間では通算可能)、損失を翌年以降に持ち越したりすることができません。

つまり、利益が大きいと税金の負担が大きく、損失を出しても救済策が少ない非常に不利な制度となっているのです。

実は、利益が一定額を超えるようであれば、個人ではなく法人として仮想通貨の取引を行った方が税制上有利です。

法人として仮想取引を行った方が有利な点

法人の方が有利な点は以下のとおり。

1.課税所得が一定額を超えると法人税の方が所得税より税率が低い
2.他の所得との損益通算や損失の繰り越しができる
3.個人よりも多くの節税策が利用できる

まず、課税所得が一定額を超えると法人税の方が所得税よりも税率が低いという点について見てみましょう。

個人で仮想通貨取引などを行った場合、得た利益にかかる税金は主に所得税と市民税になります。

市民税は税率が一律10%ですが、所得税は累進課税のため、所得が大きいほど税率が上がります。最高税率は、課税所得が4000万円を超えた時の45%です。市民税の10%を加えると、利益のうち55%も税金で取られることになります。

一方、法人税は法人が得た利益(益金)に対して課税されますが、税率は一定です。

正確に言えば、さまざまな条件を満たすことで税率が下がることはありませんが、利益に応じて変わることはありません。

2018年の法人税の実行税率は37%となっています。

所得税と市民税の合わせた最高税率が55%なので、法人税の方が18%も負担が軽いことになりますね。

さらに、中小企業であれば、法人税の実効税率は20%、場合によっては15%まで下がることも少なくありません。

20%という税率は、所得税と市民税の合計で考えるなら、所得税率が10%(市民税が一律10%なので)所得税では課税所得が195万円超330万円以下になります。

投資額にもよりますが、仮想通貨取引なら、相場が好調ならすぐに得てしまう利益ですよね。

仮想通貨投資で順調に利益を上げられるのであれば、課税所得が330万円を超えるようなら法人化を考えても良いかもしれません。

二つ目の利点は他の所得と損益通算できたり、損失の繰り越しができる点です。

個人で仮想通貨取引を行って利益を出すと、得た利益は雑所得になります。雑所得は事業所得や不動産所得などのほかの所得と損益通算ができないため、雑所得以外の所得がある場合は不利になります。

また、年間の損益が赤字となった場合にも、損失を翌年以降に持ち越すことはできません。

これが法人であれば、仮想通貨取引で得た利益は事業などで得た利益とともに益金となるため、他の利益と損益を通算することができます。

また、トータルで法人の収支が赤字となった場合は、損失(赤字)分を翌年以降に持ち越すこともできます。

法人で仮想通貨取引を行えば、個人で取引を行った場合に不利な点をカバーすることができます。

三つ目の利点は、法人の場合は個人よりも利用できる節税策の幅が大きい点です。

個人で仮想通貨取引を行う場合、取引に使用したノートパソコンの購入費用や、仮想通貨の勉強のためのセミナー代や書籍代はもちろん経費にできます。

自宅で仮想通貨取引を行う場合は、家賃や光熱費も経費にできる可能性があります。ただし、全額が経費となるのではなく、一部の割合だけです。

個人の場合は全く経費を作れないわけではありませんが、その効果は少なく、利益を圧縮するというまでにはいきません。

一方、法人の場合は、さまざまな節税策を利用することができます。

そもそも法人の場合は、仮想通貨で得た利益が益金として他の利益と同じ扱いとなり、損益通算できます。

そのため、他の利益を出すために要した経費なども、そのまま仮想通貨で得た利益の圧縮につながります。

中古自動車の購入や法人保険の契約などの定番の節税策を利用することもできます。

また、自宅を事務所にしている場合は、個人の場合よりも大きな割合で家賃や光熱費を経費にすることができます。

他にも、中小企業であれば少額資産の一括償却制度や損失の繰り越しなど税制上の特例が多くあります。

法人の場合、利用できる節税策の種類は個人とは比較にならないほど多くなります。そのため、利益が大きくなりすぎた場合も、個人よりも簡単に経費をつくることで利益の圧縮を行うことが可能です。

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